形のない足跡

七辻雨鷹(ナナツジウタカ)。マイペースで子供っぽい人のまた別のお話。「ようこそ、カオスへ。」

「一つになれないならせめて二つだけでいよう」

SCHOOL OF LOCK!の企画で「一つになれないならせめて二つだけでいよう」をテーマにした作品を募集した際に応募した作品です。当時中学三年生だったと思います。

 

夕闇の中に光が一つ 取り残された教室

この世界に自分たちしかいないみたいで

何度でも踊って 何度でも笑って

時間なんてとっくに過ぎたと思っていたのに

 

呼びかけても届かなくて 遠くなると寂しくなる

すごく近く 手が触れたりして 距離が全然わからないよ

 

少しだけ前の話 二回くらい前の冬の話

冬はまた巡ってくるけど この季節はもう巡ってこないから

暖かい部屋と凍てつく外と 幻と現実 繰り返すみたいに

朝の張りつめた空気が 人の声で割れるみたいに

一人君を見ていた季節は過ぎ去った

 

はっきり言わないくせに 思わせぶりなことばかりするから

今でも君から目が離せないだけだよ それだけだよ

 

少しだけ今の話 少しだけ先の私の話

好きだなんて言えるほども 君のこと思ってないから

伝えても 届かないけど 今更ながらわかったことがあるから

ただ君とずっと話せたらいいって それなら友達でいいって

もうわかってるから 何も言わないでよ

噂は二つ 真実は一つ ただの片思いです

たとえ今 どんな噂が流れても

 

流れても

 

恋じゃないから 両想いとか片思いとか ないのかもしれないけど

君も同じように思っていることを願います