形のない足跡

七辻雨鷹(ナナツジウタカ)。マイペースで子供っぽい人のまた別のお話。「ようこそ、カオスへ。」

2018-01-01から1年間の記事一覧

夜の底に深く沈む

文学部OB誌「紙+ペン=可能性」に寄稿した作品です。 BURNOUT SYNDROMESの「i am a HERO」 BURNOUT SYNDROMES ~i am a HERO~ - YouTube から着想し、歌詞を一部引用しました(改行して下げている部分)。 目を開けるともう夜だった。遠くから国道を走る車…

私が死ぬ時が来たら

個人誌2冊目「かなしみの速度」より 私が死ぬ時が来たら 私が死ぬ時が来たらあなたにはさよならを言わないさよならのかわりに 風に託けて本当の理由を教えよう 私が死ぬ時が来たらあなたにはさよならを言わないさよならのかわりに あなたの幸せを祈ってエン…

ターミナル(小説)

壁一面に本棚が並んだ小さな部屋でわたしは目を覚ました。 ここはどこなのだろう。膝を抱えて辺りを見渡す。積み上げられた本にはギターが立てかけてあり、ところどころ雪崩が起きている。その間に、空になった薬のシートがいくつも転がっていた。 わたしは…

東京を知らない君へ

中学二年生の冬の社会科見学のレポート(形式は自由)として書いた小説です。 当時のわたしはチャットの語尾に☆をつけるような中学生でした。使われている記号が厨二っぽいのはそのためです。ご容赦くださいませ。 †前夜 紅茶を入れようと、ペンを置く。外を…

メトロでの出会い

東京メトロ創立十周年記念ショートストーリーコンテストに応募した作品で、中学三年生のときの作品です。 久しぶりに来た大手町の駅は乗り換えの人であふれている。私もその一人だ。 「スカイツリーに行こう!」 みさきが私を誘ったのはつい昨日のことだった…

「一つになれないならせめて二つだけでいよう」

SCHOOL OF LOCK!の企画で「一つになれないならせめて二つだけでいよう」をテーマにした作品を募集した際に応募した作品です。当時中学三年生だったと思います。 夕闇の中に光が一つ 取り残された教室 この世界に自分たちしかいないみたいで 何度でも踊って …